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3部が書きあがるまでのお茶濁し。

第3部というよりは、第2.5部って感じの超短文。
元々3部に組み込まれるはずだったんですが、
その3部がえらい長くなってきたので分割した小話。
この話に限り憬視点。そして若干シリアスブレイク^^


― 分かれ道 ~ Episode. 2.5
 夕暮れ時、売り場に来店客はなし。
営業時間終了まではまだ数時間あるが、この時間帯は大抵来客がない。
何かと店に顔を出しては商品を買う訳でもなく他愛も無い世間話や口喧嘩をする相手も、今日は忙しいのか現れる気配が無い。
店の手伝い兼話し相手の双子の兄弟も、今は買い出しに出かけている。
近頃にしては珍しく、店内には完全に自分一人だけ。
少々退屈……に、感じた矢先。
「憬さん!」
「うわっ!な、何なに!?」
 バン、というドアを強かに打ちつける音と、けたたましく鳴るドアベルの音が店内に響き渡る。
来客の少ない時間帯から来る油断も手伝って、必要以上に大きな声を上げてしまった。
売り場の方を見れば直前までは無かった九重と泉里の姿。
駆け込んで来たんだろう、少し息を切らしながら二人揃ってカウンターに乗り出している。
―― ドア大丈夫かなぁ……。
 決して新しいとは言えない建物のドアの無事を案じながら、用件を尋ねる。
「どうしたのさ二人とも、そんなに慌てて……」
「珂月と白夜、まだ居る!?」
 相変わらず慌てた様子の泉里から返って来た答えは、微妙に質問の意図に沿っていない。
今の会話から俺が理解できたのは二人が珂月と白夜に用がある事だけ。
生憎、目当ての二人は留守にしている。
「今ちょっと出かけてるよ。今日は3人で晩御飯食べようってことになって、材料買いに行ってくれてる。」
「じゃあ、またここに戻ってくるんだよね?」
 九重が確認するように尋ねてくる。
彼もまた少し慌てたような、気持ちが逸っているような風だ。
泉里はともかく、九重までこんな調子なのは珍しい。
余程急ぎの用事なんだろうか。
「うん、もうそろそろだと思うけど。で、二人に何か用事?」
 そう素直に肯定して改めて用件を尋ねれば、二人はお互いの顔を見合って笑う。
「俺たちじゃないんだけど、ね」
「うん」
 意味深な二人の対話の意味を捉えかねて首を傾げる。
目の前の二人の笑顔の様子から用件の対象である二人にとって悪い事ではないように思えるけど、
それ以上のことが全くわからない。
泉里と九重が直接用があるわけではないならば、来客だろうか。
それならば俺にも何らかの事前情報がありそうなものだが、そんな物もない。
「待ってるのも落ち着かないし、迎えに行っちゃおうか?」
「うん!」
 九重の提案に泉里が即答で承諾し、二人同時に踵を返して元入って来たドアへ向かう。
「あっ、ちょっと…」
 情報がほとんどないままでいるのも気持ちが悪いので説明を求めて引き止めようとした声も虚しく、二人は出て行ってしまった。
なんなんだよ、と独り言で不満を零しながら二人が出て行ったドアに目を向けると、窓越しに見える人影に気づく。
泉里と九重以外に、もう一人。
すれ違い様に泉里が何か話しかけているのが見える。
格子状の枠組みでそれほど大きくない窓だから、顔まではわからない。
けれど、その背格好と雰囲気、何よりも目を引いたのは、銀と黒。
珂月と白夜のそれとは少し違う、だけど自分の記憶に残っている特徴的な色。
「……嘘だろ、」
 そんな、まさか。
 目の前の事象から浮かぶ可能性を信じ切れない言葉ばかりが頭を巡る。
 無意識に、ドアへと足が進んだ。
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3部に続く。
すぐ近くで全力シリアス展開されているが店の中はこんなに暢気だぜってお話。
ドアはどうにか衝撃に耐えて壊れはしなかったようです。(笑)
そしておまけ。
雑貨店以上に暢気な買い物帰りのキーパーソン二人↓
———————————————
白「今日の野菜は良いのが買えたね。特売で安かったし。」←(お花満開オーラ)
珂「今の、完全に主夫の発言だな…。…寒みぃ、急に冷えてきたな。」
白「お鍋が美味しくなるね。」
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どうやら今夜は鍋らしい。

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