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加筆修正したら若干長くなった。

親子再開編第二部お届けするよ!\(^o^)/
ちなみに現在第三部が終盤に差し掛かる所なんですがその終盤が書けない。
序盤~中盤は余裕だったのに!
とりあえず、続きより第二部本文。


「珂月と白夜なら、今憬さんのお店に居ます!」
 夕暮れ時の交差点で出会った少年のその言葉に、駅へ向かおうとしたはずの足が動きを止めた。
そのまま進んでしまうことも、振り返ることも出来ずに立ち尽くす。
― 分かれ道 ~ Episode – 2
「泉里…」
 青年が少年に呼びかけたのだろう。控えめで、気遣わしげな声が聞こえる。
泉里と呼ばれた少年はそれを気にした風もなく、続けた。
「二人のお父さん、ですよね?」
 問い掛けるような言葉とは裏腹な、確信を持った迷いの無い声音。
―― やはり、わかってしまうか……。
 二人とも顔立ちは私に似たからな、と頭の隅で考える。
そんなとりとめも無いことを考える余裕のある自分に、思わず苦笑いが零れた。
嘘を吐くことや白を切ることは、許されないだろう。
一度背を向けた相手に再び向き直り、問い掛ける。
「君たちは、珂月と白夜の友達かい?」
 私の問いに対して、二人は言葉も無く頷いた。
今度は青年が控えめな声音で問い掛けた。
「二人に会いに来たんじゃないんですか?」
「……いや、元々この街には別の目的で訪れていてね。
 帰りがけに偶然、二人がこの街で元気にしていることを知らされたんだよ。」
 そう返せば、二人とも腑に落ちないといった表情をしている。
こんな近くまで来ていながら“会わない”と同義の事を言われれば当然だろう。
「……期待に沿えずにすまないね。今の私には、二人に会わせられる顔がないんだよ。
 今会えば、却って二人の負担になってしまう。」
 情けないと思いながらも、正直な心の内を明かす。
すると、少年の表情が一際強張った。
「会わせられる顔、って…何なんですか?」
 少年の湧き上がる感情を堪えたような声の問いに、「え…」と、間の抜けた声を出してしまう。
青年は私に気を遣ってくれているのだろう、少年を宥めようとしているが、少年は続けた。
「弱った気持ちでいる事を“会わせる顔が無い”って言ってるなら、
 少なくとも珂月と白夜は家族が辛くて弱ってる事を負担に思うような人じゃない!
 それはお父さんの方が僕達よりもずっとよくわかってる事じゃないんですか!?」
 激昂する少年の言葉に、一瞬息が詰まりそうになる。
少年も感情が昂ってしまったのだろうか、言葉を詰まらせたように俯いて、黙り込んでしまった。
咄嗟のことで答えの言葉を選びあぐねていると、青年が意を決したような表情で静かに言葉をかけてくる。
「……俺達には、お父さんがどんな思いで事件から今まで過ごしてきたかなんてわかりません。
 だけど、どんな顔で会ったって、二人にとっては大好きなお父さんで、そのまま受け止めてくれると思うんです。
 人の弱さも、悪い所も受け入れてくれて、時には叱ってくれる。そんな二人だから。
 俺も、二人がお父さんのことを負担に思うなんてことは…ないと思います。」
 静かな青年の言葉に耳を傾ける内に、遠い昔の記憶が呼び起こされる。
 ―― 『弱い所があるから人間で、それを認められないで意地を張る奴が一番の弱虫だ。』
 あれは、誰の言葉だっただろう。
今の自分はその、“一番の弱虫”ではないか?
子供達に弱さを見せたくないと、つまらない意地を張っているだけではないか?
 ……私は今、何を守ろうとしている?
 心の内でそんな自問が生まれる中、青年が続ける。
「それに俺達、お父さんの事を死んでしまったみたいに話しているのを、珂月と白夜のどっちからも聞いた事がないんです。
 ハッキリと言葉にはしないけど、ずっとお父さんがどこかで生きてるって信じて、今まで過ごしてきているんだと思います。
 それに報いてあげるためにも、無事でいるよって二人に教えてあげて欲しいです。
 二人とも意思が強いけど、何もわからない不安も感じてると思うから…。」
 その青年の言葉と共に、昼間の隼人くんの言葉が蘇る。
 ―― 『言葉では諦めてるように聞こえたけど、きっと心のどこかで生きててほしい、会いたいって気持ちがあるはずです。』
 瞬間、自己嫌悪の念が生まれ、胸が痛んだ。
 ―― ……私は、何をやっているんだ。
 死んだと思われていても何らおかしくはない、寧ろ当然と言える状況下で信じてくれている。
これ以上に親冥利に尽きることが、そして子供たちにとっての負担が何処にあるというのか。
 確信できる根拠が何一つとしてない、不確かな希望を信じ続ける。
そうした信じる意志は、少なからず心を前向きに動かす作用があるだろう。
だが、その裏側に生まれる不安は計り知れない。
終わりの見えない不安を抱え続けることが、どれほどに辛いことか。
そこから開放してやりたいと思うなら、自分のするべきことは一つしかないはずだ。
迷っている時間などはない。
 正面に立つ二人を改めて見据える。
少年は僅かに瞳を潤ませて、青年は緊張した面持ちでこちらを覗っている。
こんなにも真剣になってくれるほど、二人が自分の子供たちを大切に思ってくれていると実感する。
 ―― 本当に、この街は優しい人ばかりだ。
 先程の苦笑とは違った笑みが自然と浮かんでくるのがわかる。
それにつられるように、独り言のような言葉が零れた。
「……珂月と白夜は、良い友達に恵まれたな。」
 歩数にして三、四歩程度の距離だ、二人には聞こえたのだろう。
どちらも面食らったような顔をしている。
呼吸一つ分の間をおいて、己の中に固めた決意を告げる。
「少し臆病になりすぎていたようだ。……憬の顔も長い事見ていなかったし、お邪魔させてもらうよ。」
 少し情けないぐらいの気持ちでいたほうが子供の成長も実感できそうだ、と冗談めいた調子で笑えば、
二人の表情から緊張の色が消え去り、一瞬にして笑顔が咲く。
まるで自分の事のように、手を取り合って喜ぶ姿が微笑ましい。
 一刻も早くという風に、角を曲がった道の奥へ駆けていく二人の後を歩く。
 前に進めば進むほど、鼓動が速くなる。
 長い事見ていなかった、見慣れた雑貨店の佇まいが前方に小さく見えて来た。
======================
って訳で、やっとお父さん双子に会う決心固めました。長かった…。
九重に結構語らってもらったんだぜ。
個人的に、九重は言葉を選ぶのが上手そうなイメージがある。
書き手が表現できているかどうかはおいといて下さい。^^←
途中の『弱いところがあるから~』当時人嫌いだった12歳頃の尭人に悟が言った言葉です。
尭人が「寂しい」っていう自分の感情を認められずに強がっていたのを諭した言葉。
今の父さんは無意識だけど「子供たちの前では強くありたい」という事に固執してしまい、
12歳当時の己の弱さを認められない頃の尭人に戻りかけてしまっていたっていうお話。
…解説が無きゃ意味が分からないって辺りがもうね。ごめん。orz

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